権現様という言葉は、ダイコクサマのようにある神様のお名前として、
記憶の片隅にあるという方もおられるかと思います。
地主神社もかつて、地主権現(じしゅごんげん)と呼ばれていたことが
ありました。国語辞書にもこの名が記されています。
この権現は、神仏習合(神と仏が一体となること)と非常に関係が深い
言葉なのです。
権は、仮という意味で、現は文字通り現れるという意味、つまり権現の
意味とは「仮に現れる」ということになります。
権現は仏教用語であり、仏が、日本で仮の姿として現れた姿が、神道
(神社)の神であるという仏教側からの解釈を示しています。
仏教の勢力が強い時代、神道は仏教と習合し、あるいは取り込まれ
ました。権現は、そのことを端的に示した言葉といえます。
地主神社の神は、縄文時代という非常に古くからこの地で信仰され、
最古に属する地主神(じぬしじん)ですが、地主権現と呼ばれていた
のも、清水寺という仏教寺院と神仏習合していたからなのです。