神社はうっそうとした森の中にある、というイメージが
あるかと思います。
古代から、巨木に神がお降りになると、
考えられていました。
神様へ儀式は、そうした巨木数本に囲まれた
空間で行われました。
深い森の中でもなかったのです。
神社のもりというとき、杜という漢字を使うのは、
そのためです。
神道は、山、巨石、巨木など、自然を神と
仰ぐため、もともと、社殿などの建物は
必要なく、実際ありませんでした。
お祭りなどは、杜の中で、前回お話した
神籬をたて、臨時の小屋のようなものを
建てて行われました。
そして、祭りが終わると建物は、すべて
壊され、取り払われました。
この建物が、そのまま残されるように
なったのが、神社の社殿の原型と
されています。
8月のお盆になるとご先祖の霊が家に戻られる・・・
というような信仰は、仏教にはありませんでした。
先祖崇拝と仏教は、もともと関係なかったのです。
古代において、遠いご先祖は、村や家を守る神として崇められ
正月や夏の祭りの時、上述のようにお越しいただいたのでした。
神道は、現在でも日本人の宗教観や死生観に、根強く影響を
与えているのです。