神道の作法では、神様に近い方を上位、正中(神様がまつられる
御扉の中心をまっすぐ前にのばしたライン、大変貴いラインとされる)
を上位、そして神様に向かって右を上位としています。
また、神道に限りませんが、白衣は左襟を上にきます。
これは、左を上位と見なしているからともいわれます。左右
のどちらを上位とするかは、日本が他の地域から受け入れた
文化、宗教などが大きな影響を与えているとされています。
ここで少し気をつけなければならないのは、何を基準にするか
で左右が逆になるということです。
神様に向かって左という事は、神様からは、右ということに
なります。
因みに、地図で京都市を見ると右京区が左、左京区が右に
見えます。これは、御所が基準にされているためです。
現在では、日常の中でも右を上位とする作法・文化と
左を上位とする作法・文化があります。
これは、大陸の異なる地域の影響をそれぞれの時代に受けて
きたからなのです。
高松塚古墳の有名な美人画は右襟を上に描かれています。
7世紀頃までは、右を上位とする文化があったのでしょう。
右を上とするのは大陸北部の騎馬民族の文化の影響であり、
左を上とするのは中国南部の道教の文化の影響ともいわれて
います。
日本人の習慣や、神道の中の左右にも様々な地域の文化の影響
を受けた証があるのです。