神様をそのご性格で分類すると、和魂(にぎみたま;和御霊とも
書く)と荒魂(あらみたま;荒御霊)になります。
和魂は、神様のおやさしい、温和な霊力を指し、荒魂は、勇猛さの
反面、粗野で、時には人に祟りを及ぼすような霊力であり、神の
「怒り」を示しているともいわれます。
和魂は、さらに人に幸福をもたらす幸魂(さきみたま)と人に霊力
など不思議な力を与える奇魂(くしみたま)に分類されます。
┌─和魂(にぎみたま)───┬──幸魂(さきみたま)
│ │
│ └──奇魂(くしみたま)
└─荒魂(あらみたま)
和魂と荒魂は、元来一つの神の2つの側面を表したものです。
後に荒魂の霊力のみをもつ神がまつられるようにもなりました。
元々神道は太陽などの自然を神と仰ぎ、自然現象などにその霊力を
感じ取ってきました。自然は日々の恵みをもたらしてくれると共に、
時に、風水害、落雷、地震、など大規模な災害をもたらします。
そのような自然の姿が、古代の人々の神への信仰に大きな影響を
与えたのではないでしょうか。
人々に不利益を与える面も、荒魂としてお祀りしたのは、厳しい
自然現象からも、神のパワー感じたからでしょう。
和魂と荒魂の祭祀は、神や自然への感謝と恐れの気持ちと共に、
それらへの、深い洞察を示しているのです。