4月になると桜の花が咲き、各地で花見の行事が行われます。
この桜と日本人の関わりは、非常に深いものがあります。
古くは、花といえば桜を指した事もありました。
梅が中国から輸入されたのに対し、桜は日本原産とされます。
地主神社の神紋は地主桜で、さくら祭りも催行します。
神道と桜の関わりもまた深いのです。
桜の木が花をつけるのは神がお降りなった験(しるし)と
考えられていました。
農耕の盛んな時代には、桜には穀霊が宿るとされていたようです。
また、火であぶった鹿の骨の割れ方で国の吉兆を占った時代には、
骨の代わりにある種の桜の木を使ったという説もあります。
古代、田植えはその年の生活を支える非常に重要な作業でした。
その季節に咲く桜に、日本人は神を感じ、豊作への祈りを捧げた
のでしょう。
花見の宴を盛んに催す習慣は、日本人だけのものといわれます。
花見が神道儀式の名残の一つと考えれば、そのわけも理解できる
のではないでしょうか。