もとは別々の神々が1つになる、つまり習合ということは、
日本に限ったことではありません。
多神教(神を1つとせず様々な神を祀る)の地域ではよくある
ことなのです。
最も知られているのはインドでしょう。
インドを発祥とし多神教のヒンズー教は、ブラフマー(宇宙
創造の最高神)、シヴァ神、ヴィシュヌ神など数多くの神々を
奉じています。
ご存じのように仏教もインドの起源ですが、その後インドの
ほとんどの地域で他の宗教に取って代わられ、みられなくなっ
てしまいます。
しかし、仏陀(釈迦)はヴィシュヌ神の9番目の化身とされ、
つまりヒンズー教と習合していまでも信仰されています。
ヒンズー教徒が仏教遺跡の仏像に手を合わせる姿は日常的に
見られようです。
逆にブラフマーは「梵天」として仏教の中にとりこまれています。
また帝釈天はヴァラモン教の武雄神インドラ、七福神の
弁財天はヒンズーのサラスヴァティー、吉祥天はラクシュミーと、
もとは、ヒンズーの神であったのが仏教に取り込まれ日本でも
信仰されているのです。