古代の人々にとって、星座は季節や時刻を知ることができるとても大切なものでした。今からおよそ五千年前の紀元前3000年ごろ、今のイラクがあるあたり、チグリス・ユーフラテスの両大河にはさまれたメソポタミア地方に古代カルデアの人々が羊の群れを追って生活していました。彼らは夜空に美しく光る星のならびを身近な動物(羊やヤギ、牛など)や人間のすがたに見立て、この頃「星座」が生まれたと考えられています。
その後、シュメール人によって古代メソポタミア文明が起こり、この頃にさそり座などの星座ができたのではないかと言われています。メソポタミア地方に伝わる星座の名前がシュメール語で伝わっているからです。それらの星座は後にギリシアに伝わり、はなやかな神話と結びついて今の星座として親しまれています。