昔、ギリシャにたて琴がとても上手な「オルフェウス」という青年がいました。
オルフェウスがたて琴を奏でると、そのあまりの美しい音色に人々はもちろん、森の動物たちや木々たちもうっとりと聞きほれてしまうのでした。
ある日オルフェウスがいつものように川のほとりでたて琴を弾いていると、その音色にあわせてとても美しい少女が踊っています。その少女はニンフ(妖精)で、名を「エウリディケ」といいました。
オルフェウスとエウリディケのふたりは、すぐに恋に落ちました。やがて二人は結婚して仲むつまじく暮らしていましたが、ある日エウリディケが川岸を散歩していた時に、あやまって草に隠れていた毒蛇を踏んでしまいました。すると毒蛇は勢いよくエウリディケに噛みつき、エウリディケはあっという間に死んでしまったのです。