七夕特集
うわぁ~!キレイな星空!!
空気もキレイだし高いビルもないから天の川がいっそうクリアに見えるね!
奈良時代の人は、この天の川を見上げながら何を思ったんだろう?
あ、あんなところに人がいる。話しかけてみよう!
こんばんは。ここで何をしているんですか?
私は歌人なんだが、この美しい夜空を見て歌がうかんだところなんだよ。聞いてくれるかい?
はい、もちろんです。
ステキですね。この輝く天の川の岸に今か今かとひこぼしを待つおりひめがいるんですね。
今夜はきれいな晴れの夜空だ。きっともうすぐ二人は会えるにちがいないさ。
奈良時代に来て早速、有名な歌人 山上憶良に会えるなんてすごくラッキーだったな!
そうだ、奈良時代といえば三十六歌仙のひとり、大伴家持(おおとものやかもち)にも会っておきたいなぁ。
もう少し先にタイムトラベルしてみよう!
よし、数十年後の七夕の夜についたぞ!家持の家を探そう。
おや、村人たちが何やら話している。あの人たちに聞いてみよう。
…うん?なんだかちょっとモメているみたいだぞ?
こんばんは。皆さんどうかしたんですか?
いやぁ、天の川があまりにもキレイなもんだから3人で歌を作ってたんだけど、誰の歌が一番うまいかで言い争いになってたんだよ。
ちょうどいいわ、あなた、どれが一番胸にひびく歌か選んでくれない?
そりゃあいい、3人だと決着がつかないからなぁ。
わかりました。ぜひ聞かせてください。
天の川に雲や霧が立つのは、二人が会うための船のしぶきや波のせいなんですか?
そうだよ。いざ、出航の時だ。
ひこぼしとおりひめは今、ドキドキワクワクしてるのさ。
奈良時代では、七夕は庶民の行事ではなく宮中行事としてとり行われていました。しかし中国から伝わった「ひこぼしとおりひめ」の話だけは庶民の間でも広まりました。奈良時代の歌集【万葉集】に130もの七夕の歌が収められていることをみても、その切ないラブストーリーがたくさんの人の心をつかんだことがわかります。